director's voice

垣野勝司さん 陶芸 大分

今回ご紹介する出展者は、遠く九州から。
2012年、千葉より大分県国東半島に移住して、
「くにさきかたち工房」を開いた陶芸の垣野勝司さんです。

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Q
「工房からの風」には、どのような作品を出品くださいますか?

A
現在、田、畑を耕作しています。
作品は、土に根ざした生活の中で、身近に手に入る材料を使って作っています。

「わらのうつわ」は自分で作っているお米の藁を利用していて、
備前の火襷にヒントを得て作っています。

「きなりのうつわ」、「しのぎのうつわ」は薪ストーブの灰や、砂浜の砂鉄を使って釉薬を作っています。

「ペルシャシリーズ」は以前は、赤いものを作っていたのですが、
地元の方との話の中で、「国東の海の青はむらさきがかっているんだよ」という言葉から、
青いものを作り始めました。

基本的に普段使いの器が中心に出品する予定で、
古いものも好きなので、出土品のような陶小物(一輪挿し、動物小物)も出品します。

さまざまなシリーズで展開されていて、見ごたえありそうですね。

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Q
出展が決まってから、ご自身やお仕事などに変化はありましたでしょうか?

A
今まであまり、他の作家さんとの繋がりがなく制作していましたが、
最近は他の作家さんがどのような考えで、ものつくりをしているか、とても興味があります。
今回参加することで、たくさんの出会いがあることを期待しています。

遠く九州からの出展。
ぜひ、今展を介して、新たな佳き出会いを結んでくださいね。

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Q
好きな言葉、座右の銘、何気なく工房の壁に貼りとめているフレーズなど、
垣野さんが大切にしている言葉を教えてください。

A
足るを知る、
自然から学ぶ。

移住した一つの理由は、最後は自然から学ぶしかないのかなと思ったからです。
シンプルに暮らして、自分の感度を上げていった先に、何を感じるか、何が作れるか。
まだ、全然、よくわかりませんが、日々淡々と暮らして、作っていきたいと思っています。

くにさき半島に移住して何ヶ月かは、
本当に時間が止まったような静かな場所だと思っていたのですが、
だんだんと、色々なことを感じるようになりました。

半島暮らしは「ノイジー」だなと思っています。
なつかしい潮風、静かに襲いかかる新緑、雨後の川のざわめき、
朝露にぬれる稲穂のにおい、沖の涛音、空気をゆらす鳥たちの羽音、その他。

そのような、「自然のノイズ」が、感じられるような作品を作りたいです。

東京の美術大学を出られた方の多くの進み方とは異なる、
独自の歩みをなさる垣野さん。
「最後は自然から学ぶしかないのかな」
という言葉には、確かな重みを感じます。
そして、自然をノイジーと感じ、そのよきノイズが感じられる作品作り、
という想いに共感を覚えます。
どんな作品と出会えるのでしょうか?
まだ、きっと途上のことと思いますが、ゆっくり、じっくり育まれることと思います。

垣野勝司さんの出展場所は、ニッケ鎮守の杜、手仕事の庭の花壇の奥。

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